暖かい家づくり、高気密高断熱住宅の裏話 昔はほとんど受け入れてもらえなかった事実 第1章

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気密隊長です
高気密高断熱住宅に携わり25年!
私の体験談をお話しいたします。

今出回っている高気密高断熱住宅は!?

今日では高気密高断熱住宅や
ZEH仕様、全館空調に床暖房システムなど
多く出回っております。

しかし高気密高断熱住宅と言っても
沢山あり理論や観点なども様々です。

今から20年ほど前でこの国では
高気密高断熱仕様の工法が
およそ100工法あったと言われております。

今日は、この15年を振り返って
どのように建築に変化があったのか?
まとめてみることにしました。

なぜかというと
時代を振り返ってみると
意外と自分が選ぶ方向性など
見えてくるかもしれません。

24時間換気の義務化到来

平成15年7月1日
この日を境に
住宅の根本的な見直しが有り
建築確認申請を出すことが難しい
問題が施行された。

それは
住居内でのシックハウス症候群による
ホルムアルデヒドの除去に纏わる
24時間換気の義務化であった。

当時施行前には
建材メーカーから問屋、販売店など
建築資材の流通業者各社が
至る所でセミナーやら研修会等を企画し
いわゆる元請け業社への説明会を
行っていた。

私の高気密高断熱の師匠でもある
株式会社ジョイ・コス
佐藤 益夫社長です。

写真はイメージです。

今思うと
元請けが仕事が取れないと
流通業者も資材が納材出来ず
売り上げにも響くので
彼らなりに仕掛けとして行った
元請け業社の囲い込み作戦であったと思う

これが現在に至るメーカーや問屋さんの
囲い込み営業促進の先駆けとなり
〇〇友の会、〇〇パートナーなど
今でもかろうじて存続している会のこと
だと思う。

話は高気密高断熱に戻し

この換気の義務化による影響は
普通の住宅を建てている業者にとっては
今でも痛手で、換気を24時間つけても
冬は益々室温が下がり
夏はその真逆で上昇してします。

結果、完成引き渡しの時以降は
せっかくお金を掛けて取り付けた
24時間換気システムを無駄にするがごとく
電源をOFFにして
使っていない状況である。

さらには元請け業社自ら
『換気をつけると寒くなるので
大抵のお客様は電源を
お切になっている方が多いんです。』
などと
国が何の目的で換気の設置を促したのか!
全く尊重も勉強もせずにそんなことを
建て主に伝える業者も
後を絶たない現状。

実は、この法令が
高気密高断熱住宅の普及促進の
引き金ともなり
真面目に研修し勉強した元請け業社は
『これから何とかしなくてはならない!』
という想いで
高気密高断熱住宅のフランチャイズや
独自でマスターして独自の工法で対策を
行った。

そもそも高気密高断熱住宅の殆どは
24時間換気システムを設置することが
当たり前であったため
今回の法令による対策も
すんなりとクリアーできたからである。

背景として
平成15年以前では
高気密高断熱住宅を受け入れない症候群が
県内でも沢山おり、言い分としては
「窒息する!」
「栃木はそんなに寒くない!」
「こんなの必要か?」
「こんなの建築ではない!」
など挙げればきりがありません。
受け入れられない症候群を分類すると
元請け業社は90%
設計事務所は98%
サッシメーカーは、ほぼ100%(シャノンを除く)
このパーセンテージのデータは
私自ら高気密高断熱住宅を推奨していた
平成10年頃から県内駆け回って
営業していた若かりし頃
言われ続けてきた結果です。
(別に恨みがあるわけではありません
時代とともに移り変わってきたことを
知ってもらいたくて書きました。
良い方向に変わっていただければ良いんです。)

シャノン以外のサッシメーカーさんも
当時から現在でもアルミサッシを
主力としている事もあり
かなり抵抗されており
大手ハウスメーカーさんの営業さんも同じで
気密工事など面倒で日数がかかると
利益が下がるので
「へっ、こんな事なんですんの?」と
鼻で笑われた事もありました。

あの時は人間不信や
アフリカで長くつを売っている
感覚でしかなかったです。
(※シャノンさんの回し者ではありません)

そういえば、阪神・淡路大震災の時
木造住宅をテレビで真っ向批判していた
大手ハウスメーカーさんも
今では木造軸組構法やっておりますが
どういう心境の変化なのでしょうか?

オール電化住宅の到来!

さらに
高気密高断熱住宅普及の追い風となったのが
「オール電化住宅」の制度である。
建物の性能とエネルギーの電力1本化が
ベストマッチすることで
県内あちこちの高気密高断熱住宅会社と
取り組んで一気に広まった!

年々オール電化住宅仕様の住宅数は
驚異的に増え
高気密高断熱住宅以外の
普通の家でも
オール電化仕様で広まって行った。

背景には
私は高気密高断熱の部署にいたことから
電力会社の方からの相談も受けており
主にオール電化仕様で
非高気密高断熱住宅でのクレームからだった

記憶に残ってる案件では
・「蓄熱式電気暖房器(蓄暖)が
21時頃帰宅する夫が帰る頃には
すでに冷たくて、とても寒い!」

・蓄暖を付けたが、一つも暖かくない!

・電気代がバカ高い!

などでした。

全て原因は熱がダダ漏れの住宅だと
蓄暖の熱エネルギーは低く
逃げていく熱が多いことから
家自体冷めるのが早いだけ。

しかし、すでに新築して住んでいる
方々にとっては後の祭りである。

対処としては
蓄暖は一のエネルギーに対して
一のエネルギーしか出せない!

蓄暖の温度設定を最小に設定し
エアコン(ヒートポンプ)を併用して
使用するように説明した。

こういった事が多いので
私は電力会社に呼ばれ
電力会社と取り組んでいる元請け業社と
電力会社社員の方達
およそ200名の前で
住宅の性能について
講義した事もありました。

内容は
高気密高断熱住宅の原点を探る!

この答えお分かりになれますか?

講義に参加した方達の殆どの人が
わかりませんでした。

説明いたしますと

暖められた空気は軽くなり上昇する。

すると気密が良いと
天井の冷えたビニールにぶつかり
空気が冷える事で重くなり下がる
そうする事で対流がおこり
上下の温度差がなくなる。

すなわち答えはA!です。

一方、Bの方は
暖められた空気が上昇し
天井にぶつかると、隙間を通じ
外にに出ていく。
しかし、建物内は真空にはならず
下部から外気を取り入れてしまう。
そうする事で上下の温度差が生じます。
Bの建物は、床の温度は上がらず
頭温足寒となり
不快な環境になってしまう。

少しでも
省エネルギーと住宅の性能
そして気密の重要性を理解して頂く事で
まずは進める側に対して
こんな感じの研修会を行いました。

こんな苦情も多い中
オール電化住宅の普及は
現在でも多い!

 

来週は第2章
東日本大震災の影響を受けて

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