暖かい家づくり、高気密高断熱住宅の裏話 東日本大震災の影響を受けて 第2章

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光熱費バカ高い!?これはいつまで続くのか!

今年の6月、7月と
電気料金が新価格となり
『値上げ』が盛り込まれました。

現時点では国からの補助があり
幾分安く感じられておりますが

この補助がまもなく無くなると
マスコミでも取り上げられるほど
『電気料金がバカ高い!!』
などのニュースとなることでしょう。

また、電気料金に限らず
他のエネルギーも高騰しており
中でも『オール電化』は最悪!?とまで
出している動画なども見受けられます。

これから先、住宅ローンの支払いの他
『光熱費』についても
もっと知らなくてはなりません。

まずは、今話題の『オール電化』普及した
過去からお話ししたいと思います。

オール電化住宅と一緒に普及し始めた
「高気密高断熱住宅」

電気料金の契約制度の中に
「電化上手プラン」があり
朝・昼・晩と時間帯により
電気料金が異なり
主に夜間の電気代単価が安く
昼間が高い!

そして
電気の使用量に応じて割引が受けらる他
夜間使用機器でエコキュートや電気温水器
暖房器具としては蓄熱式電気暖房器や
基礎コンクリートに熱を溜めて床暖房として
使用できる機器など
これらの採用で1KWあたり
130円(8時間通電制御機器)
もしくは
260円(5時間通電制御機器)の割引が
毎月受けられる制度がありました。

当時
この制度を利用して
基礎コンクリートに熱を溜めて
床暖房として使用する機器は
5時間通電制御機器として
1KWあたり260円割引が入ることから
家1件あたり、36KW設置して
(260×36KW=9,360円/月)
も割引額も多く、さらに使用量の割引もあり
年間で受けられる割引額は相当な額となっていた。

なぜこんな割引制度があったのか?
それは
原子力発電によるものであった

全国的にみて
電気を使用が多いのは昼!
夜の使用量を上げ
日中はなるべく高気密高断熱住宅のように
電気の使用が少なくて済む住宅を普及させる
昼間と夜間の使用量を近づけることで
電気を作る燃料コストが
大幅に下がり
これを消費者に還元する仕組みであった。

以上の制度をうまく?取り入れ
電気代の使用量と深夜電力割引を見込み
オール電化+高気密高断熱住宅に
ランニングコストを抑えた
暮らしが出来るようになり
その普及に加速がついた。

私はその時
電力会社のA氏にこう持ちかけた。
「もし、この割引制度が無くなったら
30KW以上の機器を運転すると
莫大なランニングコストに
なってしまわないですか?」

するとA氏は
「万が一戦争が始まったとしたら
自衛隊のジェット機がいち早く発電所を
守ってくれる!
全く心配ありません!」

その返答を聞いて
私は疑心半疑であった
なぜなら
家1つ温めるために
膨大なエネルギーを使うことより
僅かなエネルギーで暖房、冷房する方が
よっぽど良いはず!

そんな私の思いとは別に
どんどんと、この基礎暖房機器が普及し
また悲しいことに
私のジョイ・コスのメンバーの1社も
それに呑まれた。

たくさんのエネルギーを使い
快適な住環境にするより
僅かなエネルギーで快適な住環境にする。
しかし、世論は多い方の意見が強く
電気代の割引が多い方が得をする!などと
私の意見など我々ジョイ・コス会員以外には
聞き入れてもらえなかった。

東日本大震災による影響

平成23年3月11日、東日本大震災発生!
日本はこれを受け入れざるを得なかった!

今でも記憶に新しいこの衝撃的な出来事
福島原発が爆発したことで
日本のエネルギー事情は大きく変わる事となった。

今まで頼っていた電気の3分の1を賄う原発を止め
火力発電に移行となり
今までの電気を使いたい放題の時代が
静かに幕を下ろした。

大震災後には
毎日のように地震と津波、被害状況や
福島第一原発の報道がされ
計画停電を実施しながら
原発抜きで電力を供給していた。

そんな中
普通住宅や
なんちゃって高気密高断熱住宅で
オール電化にしていた家庭からは
3時間停電の間でも
家全体が冷え込んでしまい
オール電化を非難する声も相次いだ

一方「床暖房のいらない家」に
住まわれた我々のお客様からは
3時間程度停電したとしても
全く影響はなく
冷える事なく
ロウソクの火で家族でリビングで
過ごしたそうです。

やがて世の中では
原子力発電所に対して
人の力を超える存在である力を恐れ
原発反対の動きとともに
日本中の原発が止まった。

そうなると今度は
電気料金として一般消費者にも
跳ね返って来て、大幅な値上げとともに
今までの割引制度、契約プランの見直し
さらには電力自由化の受け
一挙に料金プランまで大きく変わるとことなった。

我々は今まで
蓄熱式電気暖房器を推奨していたが
新たな電気料金プランでは
一の電力に対して
一の熱しか出せない機器の使用は
ランニングコストが跳ね上がり
無駄になる!
こういった事実から
暖房器具の選定を行うようになった。

住宅の断熱性能を建築する地域の気温から
暖房計算を行い
それによって暖房器具の大きさを設定して
寒い家を造らないことを
取り組んで来ました。

東北地方や日本海側にも数回足を運び
参考になるもの見つけ出し
関東で取り入れられるか?
検討しておりました。

暖房器具について
これからエアコンで賄うことは
確実な選択でしたが
現在のエアコンで
一番小さなものが
6畳用(2.2KW)で
「床暖房のいらない家」で12畳1部屋でも
そのエアコンでは大き過ぎる!
第1種換気の吸気にエアコンを入れて
吸気に組み込ませてみたりと
各部屋に冷暖房を行きどかせるため
様々な実験も行って来た。

しかし、天井に隠蔽することで
機器の交換など考慮すると
単純に壁付けエアコンを
交換する方がメンテもし易く
価格も抑えられる。

試行錯誤しているうちに
当社では
住宅の気密レベルを
0,5cm2/m2から0,1cm2/m2へ高め
プランの間取りに至っても
今まで行って来た
「太陽高度の日射シュミレーション」も
より厳格に行い
西日を家の中に取り入れない工夫

6畳用エアコン1台だけで
冷暖房が各部屋に行き届けるための
プランニング
そして換気で空気の流れる
経路をより確立し
建物そのものの性能アップを
することに至りました。

 

真の高気密高断熱住宅

前職の経験などもあり
現在に至っても
「高気密高断熱住宅を建てたい」
という一般の方はもちろん
工務店さんでも
相談や現場での施工指導
そしてきちんと施工できたかどうかの
確認も含め気密測定試験を行っております。

更には当社の構造見学会や
建築途中で主に気密工事中などは
他県からも工務店さんたちが
見学に来られております。

自分の統計では
10社中、9社は
「ここまでやんの?
すごいね!うちは無理だは!」
「この手間は誰が払うの?」
などと、今でも言われておりますが
残りの1社は
素直に受け入れ
自分なりに勉強して
性能の良い住宅を建ております。

資源のほとんどが輸入!

日本の自給率は僅か8%ほどです。
勿論、石油も輸入しております。

自動車も燃費の良い方が売れて
車を買う時は、必ず燃費を気にして買う!

なぜ住宅はそうしないのか?

現在当社にお越しになられる
「すでに自宅を新築したばかり」の
お客様の中には
床暖房を設置している方は
「光熱費がかかり過ぎて
殆どの使ってません」
などや
高気密高断熱で建てた!
けど「冬寒いんです!」
「夏暑くて室温28度!にもなっていて
暑くて眠れない!」
という方が非常に多いのが現状です。

これからの住宅

エネルギーは有限です。
住宅の性能そのものを高め
僅かなエネルギーで
全室快適に過ごせる家こそ
これから日本には必要不可欠と言えます。

イギリスでは
住宅は勿論、アパートまでもが
室温が18℃以下になる建物は
基本的人権の損害とみなされ
取り壊すことが法律で定められております。

日本の住宅は、ドイツの10年後を
追いかけている!
と言われる専門家もおります。

東日本大震災など大きな災害も有り
太陽光発電の余剰電力買取制度の終焉
人口の減少、高齢化社会など
現在日本を取り巻く問題が多い世の中
だからこそ
1日も早く住宅性能について
見直すべきではないでしょうか?

 

来週は第3章
真の高気密高断熱住宅について

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