暖かい家づくり
床暖房のいらない家づくり
後悔しない家づくりのプロ
『気密隊長』こと
セルシオール株式会社の
槇 秀高 です。
この度
当社のマスコットキャラクター
『ぽぽーる君』が
晴れてデビューいたしました!
こちらの『ぽぽーる君』は
なんと!
気密測定技能士!!!
です!
※一般財団法人
建築環境・省エネルギー機構に
電話で確認し
使用許可をいただきました!!
今後当社のイベント等で
活躍してもらいます。
皆様
『ぽぽーる君』を
宜しくお願い致します!!
はじめに
2020年に某○国より世界中に広まった
コロナウィルス感染症!
世の中が大きく混乱に陥り
未だ終息には至らず
我が国においても
「非常事態宣言」が発令され
生活そのものが大きく変わった。
その影響を受け
2021年
我々建築業界においても
アメリカ、中国での新築着工が
20年のコロナ禍において
遅れていた分
翌年である現在にしわ寄せが来て
新築着工が大幅に増え
日本には外材の輸入が無くなり
国産材での需要で賄うしか無く
品薄、高騰により
「ウッドショック」という
大きな問題になった。
今回は
コロナ禍により
各施設や住宅での換気について
感じたことを
お話ししたいと
思います。
コロナ禍における換気のあり方
2020年に3密防止と掲げ
人々は今までとは違う生活を
余儀なくされることとなりました。
大型の商業施設等、病院などでも
昨シーズンの冬に
寒い中、暖房をかけながら
窓を開け、換気扇を回し
空気の入れ替えを行っており
施設内では物凄く
『寒い』思いをした記憶があります。
一方
住宅では?
きちんと計画的に
空気の入れ替えを行ったご家庭は?
テレビの朝のニュース番組で
気になる特集がありました。
換気をするために
最強寒波の中
悩む換気&暖房『窓を開ける幅は?』
などと
暖房を付けて窓を開けた実験の
検証した記事でした。
実際に実行したご家庭は
あったのでしょうか?
こちらのニュースで
一番良かったと感じたのは
換気量の目安を
二酸化炭素濃度に
焦点を合わせてくれたことです。
これは
我が国で
『ビル管理法』に中にある
建物内の二酸化炭素量を
1000ppm以内に設定することです。
※ppmとは1,000,000分の1
濃度を表す単位である。
人は酸素を吸い込み
二酸化炭素を排出します。
建物内に人が多ければ
二酸化炭素量も増えて行く
また、外気には350ppmという
二酸化炭素が含まれているので
換気をしても
外気に含まれる350ppmの濃度の
二酸化炭素は入って来ます。
※外気に含まれる二酸化炭素量は
人口が多い首都圏などは400ppm近く
含まれております。
何が目的で換気するのか?
コロナ禍だけに止まらず
現在の24時間換気システム設置の義務化は
シックハウス症候群により
平成15年7月1日より施行され
現在に至っているが
今回のニュースで
ようやく換気の重要性を
一人でも多くの方が理解することで
単に
「建築確認を通すための
24時間換気システム」
では無い!
と広まったことを
願っております。
「床暖房のいらない家」の換気に対する我々の考え方
床暖房のいらない家
24時間換気システムについて
我々は、換気はとても
重要であることから
間取りをプランニングする時
配管経路、空気の流れ、家族数など
換気の経路を考えながら
プランニングし
空気の淀む箇所を極力無くし
最善の手段を検討します。
換気本体は
スウェーデン製の
「エクソネット」を使用します。
国産品は、微調整が効かず
例えば10年後に機械の不具合があった場合
『廃盤』等で、部品交換や、機器の入れ替えも
出来ないことも大きな要因と捉え
この「エクソネット」を使用します。
この「エクソネット」は
モーターのみの交換が可能で
扱い方も
極めてシンプルである。
しかも
換気の理論に関しては
私の知る限り
どこのメーカーより
理に叶う根拠があります。
今回はこれらについて一つづつ
解説したいと思います。
換気の配管
間取りをプランニングする際
躯体を考えるのは勿論ですが
我々はもう一つ注視するのが
この「換気の配管」です。
なぜなら
我々が使用する配管のダクトは
125πという太いスパイラルダクトを
使用します。
プランによって
横架材など厚みのある箇所は
通せない事もあるので
ダクトの配管も視野に入れて
図面を書いております。
また、写真のように
直角に曲がる配管は
極力無く
管内で空気が流れやすいよう
緩やかなカーブで配管します。
もし、高速道路の出口が
直角の交差点だったら
スピードを落とさなければ
車は曲がれません。
管内を流れる空気は
スピードを一旦落とすと
エンジンは付いていないので
自分からは再び加速出来ません。
更に、太いダクトを用いるのは
片側3車と1車線道路で
交通量を比較するのが分かり易いと思います。
当然3車線の方が
沢山車が通れますよね!
しかも平らなスパイラルダクトを
使用するにも理由があります!
それは
管内を流れる「空気」が
なるべく抵抗を受けることなく
スムーズに一定のスピードで
流れる為に配慮したからです。
例えば
「ジャバラ配管」は
フレキシブルに曲げられるので
施行性は優れております。
しかし、中を通る空気にとっては
山あり谷ありカーブあり!
しかも砂利道!
走りづらい・・・。
やはり走り易いのは
平らで真っ直ぐ
これなら抵抗も少なく
沢山の車(空気)が通れます!
ですので空気にとってみれば
太いダクトに緩やかな配管が
望ましいのです。
管内の汚れ
良く心配されるのが
長く住むことによっての
管内の汚れ!
一体どれくらい汚れるのか?
結構気にされる方も多いのでは
無いでしょうか?
床暖房のいらない家
ジョイ・コス住宅システム本社屋の
24時間換気システム配管の写真です。
管内の汚れ具合を確認できるよう換気本体近くの配管に
透明のダクトにすることで
内部の様子が見ることが出来ます。
岩手県花巻市にある
株式会社ジョイ・コス本社
平成18年4月完成
15年程経つこの建物です。
換気の定義と実施内容
24時間換気システムで
我々は4つの定義に従い
換気量を定めます!
① 国の定める0,5回/h換気。
シックハウス症候群により
換気の義務化とされ
居室とみなされる空間を
1時間あたり体積の半分を換気しなくては
ならない。
② 人間一人あたりの必要換気量
国の基準 20m3/h × 家族数
(4人家族なら80m3/h必要!)
③ 間取りからの用途
建物の大きさ、間取り、階数など
考慮し、最適な空気の流れ、換気する量
などを設計します。
④ ビル管理法からの換気計画
住む家族の人数に合わせて
建物内の二酸化炭素量を1000ppm以下
(サイデルの式で計算)で換気設計する。
設計換気量の決定
※上記の各条件から比較検討の結果
設計換気量を確定致します!!
上記で計算し設置した後
実際には計算通りに
空気が流れていることはありません。
モーターの性質、菅の長さと曲がり具合
傾斜など、計算では算出できないことが
多いので
建物が完成し
お引き渡し前には必ず
換気の風量調整を行うことが重要です。
私が手にしているのは
マノスターゲージという物で
排気の吸い込む力
いわゆる圧力差(Pa)を調べる道具です。
このグラフを見ながら
設計換気量に合わせるため
排気レジスターの開度調整を
行います。
換気の風量調整が完了し
最後に二酸化炭素量濃度をチェック!!
換気設計通りに
二酸化炭素濃度が
1000ppm以下になっていれば
『合格』です。
計画計量換気と建物の気密性
上記で説明して来た通り
せっかく計画計量換気をしたとしても
建物の気密性が悪ければ
排気レジスター近辺の隙間から
外気が侵入し(ショートサーキット)
実際に外気を取り入れる
フィルターのついた吸気口からの
空気の取り入れは
大きく低下する。
そればかりか
さらに気密が悪いと
吸気口が大きな隙間となり
外気に影響されることで
住みながらも
『目張り』が必要となります。
例えば
ビニールや段ボールなので
塞がれている他社の現場も多数
存在しております。
更に冬には
暖められた空気は上昇し
上部の隙間から外へ逃げ
下部の隙間からは
外気の冷気が侵入することで
床の表面が冷やされてしまい
床が冷たい!
これこそ
「床暖房が必要」となってしまいます。
だから
当社のつくる「床暖房のいらない家」より
UA値やQ値の数値が優れていても
その家に設置する暖房の大きさや設置台数が
大きいばかりか
床暖房まで入れないと
暖まらないのです!!!!
更に
熱交換型の第1種換気システムを
設置したとしても
換気本体を通過する空気しか
熱交換しておりません!!
建物の気密性が悪ければ
外気の影響を受け
その隙間から
空気が出入りし
余計に暖冷房容量が増えるだけです!
暖かい家づくりの最重要事項!それは気密測定試験を自ら立ち会って実施すること!
新築物件の中で
気密測定試験を一体どれくらいの
割合で実施しているのか?
また
実施する時期は
どの段階で実施し
悪ければ改善しているのか?
工事途中にとても気になる
重要なことだと思います。
気密測定試験の実施するにあたって
(1)気密測定試験を実施する時期は?
①気密工事が完了した直後に測定する!
(数値が悪ければ
その隙間を見つけることが出来
手直し出来るから。)
※電気配線、設備配管
その他貫通する工事が全て
完了した状態で測定すること!
②建物が完成した直後に測定する!
(全ての工事が完了した状態でレンジフードや24換気などは
外部のウェザーカバー等で目張りし
エアコンは外のドレン管先端を目張り
それ以外は目張りしないこと!!)
※完成の段階での手直しは
ほぼ不可能です。
数値を正確に測定するため
窓・コンセント・玄関ドア・etc・・・
など、余計な目張りはしないこと!!!!!!
(2)気密の数値、目安はどれくらいが妥当?
気密の性能を表すのは
『C値』(相当隙間面積)です。
単位はcm2/m2
建物全体の隙間のことを表すのは
『αA』(アルファエー=総相当隙間面積)
単位はこちらもcm2/m2
そしてn値(隙間特性値)とは
1〜2までしか無く
1に近いと細かな隙間
2に近いと大きな隙間
n値が2に近い結果が出れば
隙間が見つけやすく手直しし易い!
1に近く、αAも良い結果ですと
その隙間を見つけ出すのも
かなり時間がかかり
困難です。
当社の気密水準としては
C=0,1cm2/m2
を目標とし気密工事を丁寧に行います。
気密測定試験については
次回のブログでしっかりと
お話ししたいと思います!
気密測定試験は
ある程度の知識を持って
建主様自ら立ち会っていただくことを
強くお勧めいたします!!